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陽が当たらない場所で

第4章 今さら


加奈の足音が完全に消え、


その場に立ち尽くしている俺がいた。


……なんだよ、なんで逃げるんだよ。


今さら話掛けてくるなて意味か?


それとも、俺に会うのが嫌になったのか?


俺は、お前と話たくて、

でも、出来なかった…。



中学生の頃みたいにお前と話したい。


また、おまえと……。




俺は、おまえが『好き』なんだよ…!!


……!


あ、…え? 俺…加奈のこと……。


『素直になれよ、健太』


…あぁ。そういうことか。

俺は、加奈のことが好きなのか。


でも、今さらそんな事言えるかよ…


同じクラスなのに、話すことすら
出来ない俺が言えるか。



…加奈は、俺の事をどう思ってるかな。



俺は、上を向き、

星がない暗い空をただ、

見ることしか出来なかった。

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