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陽が当たらない場所で

第4章 今さら

「あ、加奈ぁ!」


俺が声を掛けると、
前にいるあいつは体をビクッと
動き、こっちを向いた。

暗くて顔は見えないが
寒いのか鼻をすすった。


「…いっつもこんな暗い時間に

帰ってんのか?」


声を掛けたのはいいが、
話す話題がこれしかない。


やっべ☆俺、大失敗っ!テヘッ



「健太…」


加奈の声は、いつも学校で
聞いている声とはなんだか違かった。


…あれ、こいつこんな声だっけ?


俺は、呑気にそんな事思っていると

加奈はいきなり前を向き、
走り出した。


まるで、俺から逃げるように。

「お、おい!加奈…?!」


俺が声を掛けた時には、

足が速い加奈は暗闇に消えていた。


ただ、ふらついているような
足音だけが聞こえた。

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