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陽が当たらない場所で

第2章 願い事

「あーあ、また帰っちゃったー」
「ゲーム本当に好きだよね」

「今日こそ、『バイバイ』言いたかったのに…」



季節は秋。
真夏を乗り越えたと思い始めてようやく過ごしやすい温度になり始めた頃。
でも、夏服だと陽が暮れ始めるとひんやりして寒い。


夕暮れになり始めの教室には
二人だけ。夕陽の光が教室の中に入りこみオレンジ色になる。


部活から引退した私達。

今は私、加奈(かな)と琴葉(ことは)だけ。


弓道の最後の大会は暑い暑い真夏の時期だった。長い袴を着て、一点にひたすら集中して打つ。

私も琴葉も地区大会には行けなかったけど、練習した成果を出せた結果だった。
良い思い出になった。


他の女子も男子も、
もう少しで終わる部活を
頑張っている。


なぜ弓道部はこんなに早く終わったんだろう…。

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