テキストサイズ

“さくら”が散る前に…

第4章 彼女の気持ち

俺が 何も言えずに押し黙っていると 彼女はハッとして


「……ごめん…」


と 言った


そして


「……私 杉村君の前だと 何だか自分の気持ちに 素直になれるみたい…話 聞いてくれて ありがとね……」


と言って 小さく微笑んだ



俺は そんな彼女を見た瞬間 体が勝手動いて 気づけば 彼女は俺の 腕の中にいた…




「……杉村君…?」



「……………ごめん……」



「………え…?」



「…ごめん……ごめん…ぅ…俺の方が……っ…ずっと自分のことばっかで…勝手に嫉妬して…勝手にムカついて……相沢さんの気持ち……ぅ……考えてなかった……!!」


俺は バカみたいに涙を流して相沢にすがりつくようにして泣いた……


そんな俺を 彼女はただ黙って
俺の背中に腕を回し そっと優しく撫でてくれていた





そして 彼女は一言 俺にこう告げた




「……好きだよ…杉村君……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ