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“さくら”が散る前に…

第4章 彼女の気持ち


ある日の帰り道 たまたま相沢を見かけたので 俺達は一緒に帰り道を歩いていた


「相沢さん この頃凄く明るくなったね」


「そう……かな…」


相沢は はにかむように笑った


「うん クラスの奴も 相沢さんの雰囲気が変わって すげー話しやすいって言ってたし」


「そっか……」


相沢はそう言って立ち止まり 遠くを見つめた



「相沢さん……?」


俺が話しかけると


急に相沢は振り返って



「私…時々思うんだ……このままで良いのかなって…勿論 前よりかはずっとずっと 私は嬉しいことも 楽しいことも増えたよ?あの時の 杉村君の言葉のおかげだと…私は思ってる…」


そして彼女は一呼吸置いて


「でも……私が幸せだと感じれば感じるほど…怖くてたまらないの……!!前の私は 自分のことしか考えてなくて独りで死んでいくんだって思ってた…あの時に 恐怖がなかったのかと聞かれれば嘘になるけど でも
今の方が ずっとずっと苦しくて…辛くて…怖い……大切なものが増えていけばいくほど 失うものも大きくなる……それが 私には とてつもなく怖いの………!!」



彼女は 俺に 彼女が今までどんな想いでいたのかを告白してくれた……




(…俺は…彼女の気持ちも知らないで…勝手に嫉妬して…勝手にムカついて……俺は……とことん 馬鹿だな……)



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