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「まじかよ！！薫95点だってっ。やっぱ学年1位は違うわぁ…」

びくっ…

あたしは思わず問題集を解く手を止めた。
七瀬くん95だったんだ…。

教室の真ん中で集団になって喋りまくる男子の声なんて、嫌でも耳に入る。

「えー！七瀬くん95だって！聞いた千尋！？」

「聞いた」

あたしは冷静を装ってまた手を動かした。

あーもやもやする…っ。

七瀬くんは長身で顔もかっこよくて、優しくて、爽やかで、とにかくクラスの人気者。
しかも、学年1位。

1年の頃からどんなに頑張っても彼にはかなわなかった。
今回のテストだって、あたしは89だった。

悔しい…。

いくら冷静を装っても、頭の中では嫉妬で狂ったあたしがいる。
あの、たくさんの友達に囲まれて爽やかに笑う七瀬くんの顔が、消しては浮かぶ。

あたしはもやもやとした感情を打ち消そうとひたすら問題集に没頭した…。