紅姫と黒猫の夜
第3章 頼み事
「でねっ!だからさ…ジュダルくんに紅玉の本当に好きな人を見つける手伝い、して欲しいんだよね。ほら、ジュダルくんて小さい頃から紅玉と仲良かったでしょ?」
そう、紅覇は、我が国の神官であるマギ、ジュダルになら妹の紅玉を託しても良いとおもっていた。
また、そのためならジュダルが紅玉に何をしようと構わなかった。
(ま、どんな理由があろーと僕の妹を泣かしたら許さないけどね。)
「俺が、ねぇ。ま、良いぜ。答えは決めてたしな。それで紅玉は幸せになれるんだろ?」
紅覇はジュダルの目を見て静かに頷いた。
ジュダルはそれを見て満足そうに、でもどこか切なそうに口角をあげた。
交渉が成立した瞬間だった。