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紅姫と黒猫の夜

第4章 接吻


紅覇とお茶をした次の日、紅玉は妙な違和感を感じていた。

いつもなら神官としての仕事をしているか、屋根かどこか好きなところにいるはずのジュダルがやたらと自分の近くにいる気がしたのだ。

今は裏庭のいつもの場所で一緒に桃をかじっている。

「ねぇ……ジュダルちゃん?どうかしたの?」

「………どうもしてねぇよ。お前こそ、なんで俺のこと避けんだよ。」

「それは…っ………避けてるつもりなんかないわ。少し1人で考え事がしたかっただけだもの。でももう大丈夫よぉ?紅覇お兄様にお話を聞いて頂いたら、とてもスッキリしたもの。」

そういって桃をかじり、ジュダルに微笑みかける。

ジュダルが口のまわりを汚しながら豪快に食べるのと違い、もぐもぐと口を小さく動かしながら食べている様子を、ジュダルは愛おしく思う。

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