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紅姫と黒猫の夜

第4章 接吻

ぐっと胸が詰まる。

(この笑顔が他の男のものになっちまうなんて、)

ジュダルは思う。

もし、もしもこの愛しい姫が自分のものにできたら。

そんな夢のようなことを考える。

(ま、そりゃねーか。でもよー紅覇のあれ、なんでもしていい、って事だよなぁ?しちゃう、か?いや、だめだろ……)

自分の笑顔を見て悶え始めたジュダルを、紅玉は不思議そうに見つめる。

「じゅ、ジュダルちゃん……………?」

(本当にどうしたのかしら…?お腹でも痛いの?っ、まさか熱でもあるんじゃないかしらっ?!)

本当に心配になり、慌てた紅玉は、自らの額を、ジュダルの額につける。

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