紅姫と黒猫の夜
第4章 接吻
紅玉は初めて感じる感覚に戸惑っていた。
こんな……
こんな感覚は初めてだった。
ジュダルちゃん、と言おうとしたときだった。
コンコン
「神官殿!!神官殿!!おられますか、神官殿!!」
煌帝国に関わる組織の人間の声だった。
「いるぜっ!!ちょっと待て!!」
ジュダルは紅玉を寝台から出すと、服と髪を整え、頬に優しくキスをした。
「神官殿………おや、姫君?なぜここに?まさか神官殿、姫君にいたしたなどと……」
「んなことあるわけねーだろ!!」
「あの……ジュダルちゃんは熱があるみたいなのぉ…看てあげてくれるかしらぁ?」