紅姫と黒猫の夜
第4章 接吻
同時に首筋を這う熱いジュダルの舌の感覚を思い出して身体が熱くなり、胸が大きく鳴る。
(思い出しちゃ、ダメ………)
そう思っても、止められなかった。
(そう、ジュダルちゃんは熱が…………ん?熱?)
そうよ!!と紅玉は気づく。
(ジュダルちゃんは熱があったのだわ。熱に浮かされて分けのわからないままあんなことをしたに違いないわ。)
それなら、紅玉が呼んでも返事をしなかったのも、舌が熱かったのも納得が行く。
(なぁんだ、………)
紅玉はひとりで安心すると、眠りについた。
穏やかな夜だった。