紅姫と黒猫の夜
第7章 二人で
目が覚めたらしい紅玉は、泣いていた。
「あ、ジュダルちゃんっっっ!!」
ギュウ……
部屋に入るなり紅玉はジュダルに抱きつく。
怖い夢を見て目が覚めるとひとりきりだったので、怖くなってしまったのだ。
「ジュダルちゃん………怖い…」
紅玉は涙ながらに訴える。
「あ?お前が寝付くまで、な。添い寝、してやるよ。」
「本当?!添い寝なんて、ずっと昔お母様にしていただいた以来よ。」
「そうか。」
紅玉は本当に嬉しそうだ。
(俺に下心があるなんて、考えもしねぇんだろうなぁ…)
布団の中で、後ろから紅玉を抱きしめる。