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紅姫と黒猫の夜

第9章 想い

(紅玉姫、なんか、まさか、このガキ神官のこと、好きになりかけてる…?てゆうかむしろ好き?)

…夏黄文には、紅玉のジュダルへの雰囲気が、友情から恋情に変わりつつあるように思えた。

(しかし……このガキが紅玉姫を好きだったのはしってるが…………まさか紅玉姫まで…)

ジュダルはマギであり、神官。

煌帝国では、神官も一族によってつとめるものだから、当然、跡継ぎが必要になる。

つまり、皇族と同じで公務として夜伽をすることがあるのだ。

多かれ少なかれ、それなりの経験はあるはずだ。

しかも、かなり女の扱いがひどいらしく、ことを終えた女性には見向きもしないともっぱらの噂だ。

(そんな男に紅玉姫を渡すのは………)

従者として、主人の幸せを願わない訳ではなかったが、紅玉は皇女だ。

義姉・白瑛のように将軍にでもならない限り、将来政略結構に出されることは目に見えている。

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