紅姫と黒猫の夜
第9章 想い
(やっぱり、好きなんだわ……私…ジュダルちゃんのこと……)
それは、シンドバッドのことが好きだったときと同じようで、違う気持ちだった。
(だってシンドバッド様とジュダルちゃんは別人だもの……おんなじだなんて言えないわ…)
紅玉は真っ赤になった顔を袖で隠しながら考えた。
好き、好きだ、好き。
(あーなんでババァ赤くなってんだ?………てか、なんかちょっと、かわいー、な。)
紅玉のことが好きだ。
大好きだ。
こんな姿でも。
(紅玉が…(ジュダルちゃんが…(好き))
二人の想いはこうして繋がったのだ。
しかし……
まさか両想いとは、少しも思っていない、鈍感な二人なのであった。