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紅姫と黒猫の夜

第10章 兄

「紅覇?どうかしたのですか……?………っ!!紅玉っ!!しっかりしなさい紅玉!早く!!早く神官殿と医師たちを!!紅玉!!腕をかくのを止めなさい!紅玉!!」

紅明は、血だらけになった紅玉を見て、ジュダルを呼ぶ。

もう魔法の力に頼るしかなかった。

紅明は、血がつくのも構わず、紅玉を抱きしめた。

ジュダルがくるまでの時間が、とても長く感じられた。

それからは、あっという間だった。

紅明と紅覇、白蓮は、血を落とすのも忘れて、兄弟たちの集う部屋に行った。

偶然そこには、紅炎、白雄、白瑛、白龍が揃っていて、血濡れの二人を見て目をまるくする。

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