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紅姫と黒猫の夜

第10章 兄

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(あの時から僕と紅玉、ずっと仲良しなんだよなぁ…)と、紅覇は思う。

紅玉は成長し、あの時のように紅覇に抱きしめられて泣くことは少なくなった。

紅覇以外の兄弟にも心を開くようになった。

紅玉のことを一番大事に思ってくれる人を好きになった。

(大丈夫だよ、紅玉。ジュダルくんは、紅玉のこと一番に思ってくれてるから。お前もやっと、幸せになれるよ。)

まだわからない二人の未来に思いをはせながら紅覇は言った。

「もしジュダルくんに泣かされたら、僕は絶対に許さないけどね。」



こうして小さな兄は、大切な大切な妹の幸せを、心から願うのであった。

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