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紅姫と黒猫の夜

第12章 告白


顔が真っ赤になっているのが自分でもわかった。

夏黄文はため息をつく。

(その顔、私の前でしないで、神官殿の前でしてくださいよ……絶対、可愛いって思ってもらえますから…)

(ひゃぁあ……ヤダ、こんな夢っ!!ジュダルちゃんが私を好き?そんなことあるわけないのに!!私ったら、馬鹿みたいだわ!)

頭ではそう考えていても、心がやすやすとそれを覆す。

ジュダルのことを考えると、食事も手につかなくなった。

ジュダルの目の前で食事をするのがなんだか恥ずかしかったのだ。

宮中でも、ジュダルの姿を見かけると、袖で顔を隠した。

あまりにもわかりやすい反応に、宮中の人間はこう思った。

《神官殿も、やっと報われたか》

《神官殿、ついにやったな》

《すぐに式の準備で忙しくなるだろうなぁ》

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