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紅姫と黒猫の夜

第12章 告白

長い長いキスを終えて、唇が離れるとは二人はどちらともなく近寄り、ジュダルが紅玉を抱きしめた。

「やっと、やっと言えた…………10年以上前から言えなかったことが、やっと……」

ジュダルはつぶやく。

しかしそれは紅玉の耳には届かない。

紅玉はジュダルの胸の中で眠ってしまっていた。

くうくうと軽い寝息をたてながら、無防備にジュダルに身体を預けている様子は、信頼されているようで、なんだか嬉しかった。

そっ、とジュダルは紅玉の髪を梳いた。

紅く煌めく宝石、そう、まるで紅玉《ルビー》のような髪。

この髪の一本一本でさえ自分のものなのだと安心して、触れていた髪にキスをする。

紅玉の髪からはいつもと同じ、柔らかく、甘い香りが漂っていた。

そしてまたいつもと同じように、その香りに情欲を刺激されるジュダルなのであった。

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