紅姫と黒猫の夜
第13章 黒猫
(まじかよ……俺、ついに紅玉とっ!)
ジュダルは先刻の出来事を思い出していた。
期待をはらんだ瞳と、自信のなさそうな声。
キスしたときにかえってくる反応。
甘い香り。
すべてがジュダルを刺激した。
眠ってしまった紅玉を寝所へ抱いて行くときでさえ、柔らかい゛女の子゛の感触に、もろに情欲を刺激されていた。
(これ、なんとかしねぇとうっかり手ェだしちまいそーだな…やべぇ、紅玉が可愛い過ぎて、俺っ…)
ジュダルは必死に自分の情欲と戦った。
そうでもしなければ、すぐにでも紅玉と交わってしまいたくなったから。