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紅姫と黒猫の夜

第13章 黒猫

(そーいや、紅徳のアレ、どー説明すりゃあ良いんだよ…『俺のこと好きでした』なんて言えるわけねぇだろ?)

もうひとつの悩みをジュダルは思い出す。

紅玉の実の父、煌帝国第二代皇帝・練 紅徳からの頼み事についてだ。

《紅玉に想い人がないか聞き出せ》

こんな紅徳の頼みにジュダルが実行をおこすまでもなく、紅玉が吐き出してくれたのだ。

好きなのはジュダルだと。

しかし問題はそれをどう伝えるべきか。

(ふつー、自分の娘が恋した男をよく思う父親なんていねぇよなぁ…?)

ジュダルは悩む。

自分は紅玉のことが好きだし、さらに言えば結婚したいとも思っている。

(…………………やっぱり、これしかねぇよな。)


ジュダルは杖を握りしめてニヤリと笑う。

(…楽しみにしてろよ、紅徳のおっさん)

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