紅姫と黒猫の夜
第16章 初夜
紅玉が着替えを済ませて出ると、そこにジュダルが立っていた。
「ジュダルちゃん…!」
「よぉ、紅玉」
紅玉と同じく、夜着を着たジュダルが、紅玉に向かって笑った。
そして、紅玉の後ろにいる夏黄文らに目を向けると
「…………お前らはもう下がれ」
手をシッシッと払うように夏黄文たちを下がらせた。
「………部屋、行くぜ」
ジュダルは、紅玉の腕をひく。
その行動は、紅玉には、なんだか焦っているようにも見えた。
「……っ、し、ジュダルちゃん!……………待って!」
紅玉は、少し反抗する。