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紅姫と黒猫の夜

第16章 初夜


「無理。……チビの時から好きだった女をやっと抱けるんだぞ?……もう我慢できねぇ、」

「………っ」

紅玉は顔を真っ赤にさせてうつむいた。

(ジュダルちゃん………………私も、決心をかためなくっちゃ、)

ドクンドクン

と心臓が脈打っていた。

ギィ…

寝所の扉が開かれる。

そのまま寝所の寝台の上で二人、黙り込んでいた。

そして結局、沈黙を破ったのは、ジュダルだった。

「…………紅玉、怖ぇの?」

不意にかけられた言葉に、紅玉は顔を上げた。

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