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幼馴染みの先輩は・・・

第2章 犯人

ー※圭side※ー


「・・・ん?」


目が覚めると、
見慣れない天井がぼやけて見えた。


・・・保健室か。


とりあえず、
メガネを探してつけた。


「・・・起きた。平気か?
あの・・・体、とか。」


政宗が、少し目をそらした。


その仕草で、
さっきの出来事が
フラッシュバックしてくる。


何故か顔が熱くなり、
急いで毛布にくるまった。


「・・・運んで来てくれたのか、
あの・・・その・・・ありがとな。」


くっそ・・・何で礼を言うだけなのに、
言葉が出てこなかったんだろ・・・。


「・・・俺が・・・犯人捕まえて、
ぶっ殺すから。
お前は気にすんな。」


「いやっ気にするだろ!
政宗が犯罪者になって
どうすんだよ。」


なんで俺のことなのに、
政宗が怒るんだよ・・・
そう言いたかったけど、
なんとなく言わないで
おくことにした。


ギュルルル・・・


俺の腹の音が、保健室中に響いた。


「くっ・・・あははっそういえば
なんも食ってなかったな。」


「売店終わってるだろ、
もう授業始まるし。・・・我慢する。」


「・・・ほれ、これやるよ。
俺、まだあるし。」


鞄から取り出した菓子パンを、
俺に渡した。


「・・・これ、政宗の好きなやつ。」


ボソッと俺が呟くと、


「いいよ、お前も好きだろ?
てか、菓子パンまだあるし。」


「まあ・・・。じゃあ、貰う。」

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