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I'll protect you.

第36章 犠牲



「……え、俺ら?」



『そうよ!!

影でコソコソしてないで面と向かって言いなさいよ!

本当のことも知らないでベラベラ喋って本当何なのよ!!』



「……ご、ごめん…」



『何も知らないくせに!!

シン君がどれだけ大変かもわからないくせに!』



……噂ばっかりで



シン君の今までの人柄を無視して……



そんなの許せない……





『シン君のこと悪く言わないでよ……っ』





……泣いちゃダメよ、優



負けちゃダメだよ……



視界がゆらゆらと揺れて大粒の涙が溢れそうになった瞬間、誰かの手が私の目を覆って目の前が真っ暗になった。







「……彼氏が停学になって、

変な噂流される彼女の気持ちわかんねーのかよ」






……さっきあんな酷いこと言ったのに






「シンは確かに喧嘩が強いよ。


でもな、理由もなく人を殴るような奴じゃないことくらい見てたらわかんだろ。


不純異性交友とか飲酒とか煙草とかよ……


お前らはシンの何を見てきたんだよ!!!」




……私って何もわかってないじゃん



シン君のことは信じてる



でも、平然を装って生活できない……



歩けばシン君の話が聞こえてきて



みんながシン君を批判して……



シン君の優しさを知っているから



大好きだからこそ



耐えられない




すると、ガヤガヤと騒ぐ人混みから一人だけ私達に近付いてくる足音




「シンのありもしない噂聞くだけでうんざりだわ。


コウ、ユウをそのままどっかに連れてってやって。


相当、気が滅入ってる」




「了解」




私の目の前が明るくなったと同時に体を180°回されて、目の前にはコウキ君の体



コウキ君は自分のブレザーを脱ぐと私の頭からかけた。



「あんま、前見るなよ。

そんな顔見られたくないだろ?」



私は何度も頷いてコウキ君に誘導されながらその場を去った。




・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・




そんな二人の背中が見えなくなるまで見送って群がった生徒に向かって声を張り上げた





「そのありもしない噂誰から聞いた


クラスの奴か?それとも────」



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