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もっとして♡

第6章 マジメ姉ちゃん


2人笑顔で喋りながら校門をくぐる


マッつんとアノ女がいた。


教室が一瞬にしてしんっとなった。


そして数秒後。


「「「まーつーもーとぉぉーー!!!」」」


男勢の矛先が一斉にマッつんへ向き、教室を出ていった。



静かになった教室。



……ご愁傷さまです、マッつん。


でもお陰で助かったよ。


マッつんは俺のヒーローだ。


いつかまた会える日まで空から見守ってくれ。


(合掌)


俺はそう心の中でつぶやき、静かに手を合わせた。


チーン。







松「て、お前勝手に俺を亡き者にするなぁぁ!!」



「なんだ無事だったのか。俺が折角合掌までやってやったのに。」


松「おまえなぁ………はぁもういい。疲れた。とりあえず、休ませてくれ。」


そう言いながら自分の席に座ってうつ伏せになった。


その間もいつの間にか戻ってきてた男勢が俺“ら”をジロジロと視線を送ってくるが、決して近寄ってこない。


「おい。なんでアイツら近寄って来ねぇんだ?」


松「………先輩がしてくれたんだ。」


「へぇ。」


松「気にならねぇのか?」


俺の顔なんて一切見ずに机に突っ伏したまま。


「別に。俺あの女に興味ねぇし」


その瞬間、昨日の傷ついたあの女の顔を思い出した。


ちっ。何で今思い出したんだよ。


松「へぇ。じゃ何で昨日襲ったんだ?」


ボソっと、だが何処か怒りを含んだ低い声が聞こえた。

「ッ!!?」


何でマッつんが知ってんだよ!!


ちっ、あの女、ちくりやがったな。


俺がマッつんに何て言おうか言葉を詰まらせてたら…


「…お前先輩のこと何も知らねぇで手出すんじゃねぇよ。

先輩をお前の周りいる女と一緒にすんじゃねぇ。」



そう言いながら突っ伏してた顔を俺の方に向けたマッつん。



その目はやっぱり声と一緒で怒りでいっぱいだった。


「ちっ。はいはい、あの女にはもー2度と手を出さねぇよ。出そうとも思わねぇし、あんな女。」


俺はマッつんがいる方と逆の窓の外に顔を向けた。



さっきまで晴れていた空が今にも土砂降りの雨が降りそうな真っ黒な雲が空を覆っていた。


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