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candle

第1章 愛なき虚しき行為

売らないとしてもネット配信でもされては困る。
なんにしてもデータは回収すべきと考えるも体が重い。
「じゃ、とりあえず。これからもご贔屓にお願いしますー」
「まっ.........っ!」
立ち去ろうとする男を制止しようと両手をつき上体を起こせば腰に響いて低く呻く。
どうにも起きあがれそうになく、そのまま体をタイルの床にくっつけた。
じわりと寒気と眠気が襲う。

あーもう帰ってからでいいや。

ぶっちゃけこんな仕事してるのだ。こういう事態だっておこらないとは限っていなかったわけだし。

もし他人の目に触れるような事があっても、その人が生でしたいと思えばこちらに客がくるだろう。
そうなれば商売上がったりさがったりだ。
大丈夫。なんとか......なんとか......

そう思いつつ宙は目を瞑った。

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