
〜Strawberry JAM〜
第2章 〜JAM〜
『これ。タクシー代。』
「あ、ありがとうございます…。」
先ほどの電話と同じく不躾な態度に怯えた私は
咄嗟にお礼の言葉を発してしまった。
そのまま横目をやると
彼はソファーの私とは
少し離れた場所に腰を下ろし
お茶を飲んでいた。
『それは俺の台詞だ。
礼と言ってはなんだけど…。
何でも1つお前の欲しい物くれてやる。』
「え…?」
『だから、欲しい物言えって言ってんの。
人はさすがに無理だけど。
何かないのか?』
「えっと…。」
いきなりの問いかけに
私は黙って考え込んでしまった。
