不良の道
第1章 不良学校
[…………颯斗?]
[えっ?あっ。何?]
兄貴の声に気づき、ハッとする。
兄貴が心配そうな顔をした
[大丈夫か?何か、思いやんでたぞ。]
[別に……思いやんでないし…………ただ、]
ただ、『寂しいだけ』
なーんて、言えるはずがない。
[ただ?]
って聞き返してくるので、俺は
[ただ、兄貴を倒すだけだっ]
そう答えてしまう。
素直じゃないのは昔から。
だから、後悔なんてしない。
俺は兄貴を越える。
それだけでいいんだ。
俺の目的は。
そう思い、俺は兄貴を睨みつける。
すると、兄貴は微笑みながら答える。