不良の道
第2章 吉野紘という男
[俺の弟に手を出さないで貰えますか?]
男を止めたのは兄貴だった。
男の手を掴んで握りしめる。
[へぇ~、君の弟だったんだぁ。
ますます気に入っちゃったー。]
男はニココニしながら兄貴を見ていた。
兄貴は男を睨んでいるにも関わらず
男は平然と笑っている。
す、スゴい。
ある意味、この男すごすぎ。
てかっ、兄貴が敬語使うなんて……
こいつ何者なんだ?
[あ、兄貴?こいつ誰だよ??]
[……吉野…]
…
[………吉野ぉー!!こいつがぁーー!?]
驚きすぎて思わず叫んでしまう。
予想と全然違い、ビックリした。
いつの間にか
兄貴と男(吉野)は手を離していて兄貴は睨むのをやめていた。
だけど、吉野は馬乗りになったまま。
[あの…そろそろ、離れて……です?]
敬語を使った方が良いのか分からず
少し言葉が可笑しくなる。