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Principem auro

第2章 空白の歴史

さっき…
アイリスに言われたときどきりとした。

古代王国カトレアは確かに実在した。

断言できる。

なぜなら私がそのカトレア国王女、
アリア・ルイスだったのだから。

正確にはアリア王女の前世の記憶を引き継いだ生まれ変わり…というやつだろう。
なんの因果だろうか………
生まれ変わっても名前も見た目も変わっていなかった。


カトレアについての文献は
絶対に出てくることはない。

だってあれはアリア自身がもって死んでいったのだから。

アリアは金髪、金目の金色をもって生まれ、死んでいった。
あれはそう…
ドラマのように綺麗なお話ではないのだ。
辛い世界だったと思う…

でも…
私が元の姿のまま、同じ名前で生まれたことに意味があるのなら…
願わくばもう一度だけあなたに出会いたい……



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