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ゆきずりの恋

第7章 それでもやっぱり…

見投げしてやる!そう思って高架下から走る車の流れを見ていた

そんな度胸もないくせに、ともう一人の私が嘲笑う

残った人たちのことも考えなよ

亡霊の様に家に帰りました

私の姿を見た母は何も言わず、私を抱きしめ、泣いてくれました

異様な空気を読んだ兄弟たちは静かにその場から離れ、さりげない優しさに感謝しました

命を投げ出そうとしてごめんなさい

また涙が出ました

完全に終わった

大好きな彼はそのあと引っ越して、新車を買ったそうです

付き合っていた頃にパンフレットを見てはしゃいでいた彼

いつもドライブするときは私の車で出かけた

今度は自分が免許を取って、君を乗せてあげるから

その約束が果たされないまま月日が流れました

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