テキストサイズ

禁断兄妹

第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~


あの夜
挿入れたいって
私の中をいっぱいにしたいって言った
お兄ちゃん

私は頷いたけれど
お兄ちゃんは結局
しなかった。

俺に引きずられただけだ
目を覚ませ
そう言って
私から離れていった。

今日も
私に会いに来てはくれたけれど
本当は
私から離れようとしていた。

黙ったまま背中を向けて
離れようとしていた。

それを引き止めたのは私
家にあがって行ったらと言わなければ
お兄ちゃんは振り向かずに帰っていったはず。

突き放せと言ったお兄ちゃんに
好きだと言ったのは私
ちゃんとしたいと言ったのも私

引きずり込んでいるのは

お兄ちゃんじゃない

私のほう

ストーリーメニュー

TOPTOPへ