禁断兄妹
第33章 熱帯夜 ~ひとつになる夜~
「‥‥何を言うかと思ったら‥‥」
お兄ちゃんは
ふっと息を吐くように笑った。
「それは俺の台詞だろ‥‥どうして萌が言うの‥‥?」
苦笑いしながら首を傾げて
私の目を覗き込む。
「‥‥聞きたかった、から‥‥」
上手く言葉にできなくて
それだけしか言えなくて
黙ってお兄ちゃんの綺麗な瞳を見つめた。
「‥‥俺は後悔なんてしないよ‥‥」
なんのためらいも気負いもない
静かな声
「萌と一つになりたいって、心から思ってる‥‥」
包み込むような温かな声
迷いのない瞳
信じていいのね
お兄ちゃん
違う
柊
柊
私の恋人
あなたのまっすぐな想いを
身体中で感じる
柊
あなたを
愛してる