未成熟の成長
第2章 コンクリート
「あの、こちらは全席禁煙となっているので、煙草は御遠慮願いたいのですが」
ペコペコしながら、馬鹿が近寄ってきた。
「俺は遠慮を知らないんだ」
「そういうことではなくてですね」
「煙草を吸う自由を奪う権利が、お前にはあるのか」
「えっと」
眉毛をピクピクと動かしながら、馬鹿はゆっくりと下がる。
さらに重役でも呼んでくるのだろう。
「さて、行くか」
「最低」
「この程度で最低なんて生温い」
大学なんてのはゴミだ。
時間を浪費するだけの、くだらない研究機関。
研究機関というのは、大学生が研究しているという意味ではない。
彼等は観察対象で、研究しているのは国だ。