未成熟の成長
第2章 コンクリート
黒木からの依頼は、あのおかたの注意をそらすことだ。
まぁ、何の為かは聞かない。
お互いこういう業界にいるのだから、当然と言えば当然だ。
八雲だったか、あの小さい子供には酷ではあるが、俺は何も正義ではないからな。
だが目の前のこいつはどうだ?
今回は確かにリスクが高い。
旧知の間柄とはいえ、身内を裏切るような真似をさせていいのだろうか。
「らしくない心配を、しているね。ハイエナと呼ばれる貴方には、相応しくない」
「俺、そんなに分かりやすい顔してるか?」
「私には、わかる」
どうやら杞憂のようだ。