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未成熟の成長

第1章 ナタリー

暖かい。
ゆらゆらと揺れている。

ただいま。
私は家に帰ったのだ。
でも、家には誰もいない。

婆や、どこにいるの。
八雲が帰ってきたのに、どうしてお帰りなさいって言ってくれないのだ。

婆や。



目の前が黒く揺らいだ。
家はメキメキと音を立てて崩れ落ち、辺りは灰色に満たされていく。
怖い、怖い、怖い。
私は夢を見ているのだろう。
きっとそうだ、そうに違いないのだ。

シロが庭で吠えている。
その後ろから迫り来る洪水。
全てが流れ去る。
見てはいけない。

八雲はきつく目を閉じる。


そして、ゆっくりと開けた。



「目を覚ましたみたいだな。すまんね。手荒くて」

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