未成熟の成長
第1章 ナタリー
「ゆかり、先生の話、聞いてなかった。返事もしなかったし」
やっぱり怒られるんだ。
「ごめん」
「別に。ゆかり、何か悩み事あるの?」
「うん」
どうしよう。
話してみようかな。
ナタリーさんはクラブの代表だし、聞いてくれるかもしれない。
「あのね、ナタリー。わたし、家庭科クラブやめたいんだ」
「やめる?」
「うん。最近お菓子作っても、裁縫しててもつまんなくて」
「そう。それは凄く残念」
ナタリーさんは全然残念そうじゃない顔で呟いてる。
やっぱり私がいても迷惑だったのかな。
「それで、家庭科クラブやめて、ゆかり、何するの?」