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天使と悪魔の恋愛事情

第2章 人間界でのお仕事

草原が広がる小高い丘の途中に、空を見上げる少年が一人。
見上げた空は青く清んでいて、太陽が1つ浮かんでいるだけ。


「気のせい…かな?」


歩いていた少年の影の上を人の様な影が通過していった。
咄嗟に顔を上げるが何もいなかった。


「フフ」


「誰?」


今度は女の子の声がした。
周りを見ても緑色の草原が広がるばかり。


すると少年の頭の上にヒラヒラと何かが落ちてきた。


「な…なに!?」


驚いて思わず払いのけた。
するとそれは、ヒラヒラと草原の上に落ちた。


「これって…羽根?」


純白の羽根が一枚そこにあった。
少年は恐る恐るといった体で羽根を拾い上げ、じぃっと見つめた。


「天使さま…?」


「クスクス…」


少年の呟きに答える様に、姿が見えない笑い声が聞こえた。





「人間界って楽しー!」


少年が去った丘に、姿を現した少女が一人。
否、少女とは呼べない。


背中に一切の不純物がない真っ白な羽根。
頭の上には淡く光輝く大きなリング。
そして胸には装飾としてクロスのペンダント。


彼女は人間ではなく天使。
天使の名前はリオンといった。

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