幼なじみはドSで超エッチ
第10章 10,愛する人へ
病室の扉を開ける。
ベッドの上で酸素マスクをつけて寝ている。
心電図の音が聞こえていた。
力哉の隣に行き、手を握った。
暖かい…。
なんで力哉の手はこんなに暖かいんだろう…。
「力哉…」
名前を呼んでも返事はなかった。
病室には私の呼ぶ声と、心電図の音しかしていなかった。
ごめんね…力哉。
私が宮下くんについて行かなかったら、力哉はこんな目にあわなかったよね…。
私のせいだ…。
もう力哉の笑った顔は見れないの?
もう手を繋いでくれないの?
キスも抱き締めてもくれないの?
ねぇ…目開けてよ!!
力哉っ!!
私は力哉がいなきゃ嫌だよ…。
お願いだから…死なないで。
一人にしないで…。
私はまた涙を流していた。