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いつまでも、何年経っても切なくて

第19章 あなたを信じて待つ

ある日ベッドに横になっているじいさんに呼ばれて行くとじいさんは話し出した


「響、世話になってすまんな

何があってここに来たのかは
ちゃんと聞いていなかったが

俺に遠慮せずにお前の行きたい所に行って

やりたいことをやりなさい」


俺はこの町の施設に入るよ

住み慣れたこの町から離れたくない

友人のシゲオさんが待っててくれてるんだ、と



そう話しているじいさんの目には
涙が溜まっていた


「ばあさんは?ばあさんはどうなるんだよ!」


「ばあさんにはこれ以上迷惑はかけられん」


「ばあさんが迷惑だって言ったのか?

一度でもじいさんに施設に行けなんて言ったのかよ!?」



じいさんは静かに横に首を振って
目からは涙がこぼれてしまった

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