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いつまでも、何年経っても切なくて

第22章 本当の気持ち

“ピンポーン”“ピンポーン”

インターホンが鳴った


達ちゃんが動きを止めて


「まさか...アイツか?

もう二人でそういう話になってるのか?」


『...ちっ、違う...』


「俺が見てくる」


そう言って玄関に向かう達ちゃん

後ろを追いかける私


達ちゃんがドアスコープから外を覗いて

「やっぱりアイツじゃねーか」
そう呟いて私の方へ振り返った


「莉子?莉子、居るんだろ?」

響の声だ...


『!んっ!!』

響に返事をしてドアの鍵を開けようとした私の手を達ちゃんは掴んだ


片手で私の口を押さえ無理矢理私を部屋の中へ押し込もうとする


やめて!


達ちゃん、やめて!


声にならない声を出して
力を振り絞るが敵わない



「莉子...


浮気は許さない」


達ちゃんの目が怖い...



『んーーーーーー!!!』

口を押さえられながらも必死で声を出した

響に聞こえたのか

“ドンドン”“ドンドン”と
ドアが叩かれる音が聞こえる



私の目からはボロボロと涙がこぼれ落ち
息をするにも苦しいくらい泣きじゃくっていた




そんな私を見てやっと
達ちゃんの力が緩んだ...


達ちゃんの目には
初めて見る達ちゃんの涙...


「莉子...


なんでだよ?


なんで俺じゃ駄目なんだよ...」


そう言って
崩れ落ちてしまった


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