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その一言が言えたなら【リヴァエレ】

第3章 3

「…ら、ライナー?」
「おいおい、どうしたってんだよ、ゴリ男!そんな必死な顔してよ」
若干引きぎみのクリスタと、ライナーの表情をバカにするユミルは、ライナーの目には映らなかった。
ライナーに見えているのは貼り付けられた笑顔に脳内変換されているクリスタだけ。
「…ら、ライナー、顔が赤いよ?熱あるんじゃ…」
こんな表情をしてるライナーにですら優しいクリスタの人気はいとも瞭然だ。
ライナーはクリスタ達の前まで来ると、クリスタの小さい肩をガシッとつかみ、口を開く。
「く、クリスタ!!俺は…」
「…やーめろよ!あたしのクリスタに!」
汚いものでも払うようにしてライナーの、クリスタの肩にのる手を外したのは紛れもない、ユミルだ。
ユミルはクリスタを片腕で抱き締めるように抱く。
「…ゆ、ユミル!?」
「…さわんじゃねーよ、私のかわいいかわいいクリスタに」

ガンッ

ライナーは石が落ちてきたくらいの衝撃があった。
かわいい、をまたユミルに先を越されてしまった、と。
「クリスタ!あっちいこうぜ」
「え、でもライナーが…」
「いんだよあんなゴリラ男。」
そういうと二人はその場から離れた。

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