未成熟の推察
第1章 ミク
灰は、ミクについてよく知らない。
時間の問題ではなく、内面的な問題だった。
ミクは大人びた表情を見せることもあれば、赤子のように甘えることもある。
灰の能力を持ってしても未だ解析出来ていなかった。
この少女が何者なのか、灰は知りたがる。
「なぁお前、何故俺についてきた」
「御飯が食べれると思ったから」
そうじゃない。
そんな単純な理由でついてくるような、単純なガキじゃない。
こいつは俺の中の何かを見抜き、そこを利用しようとしている。
持ちつ持たれつと言えば聞こえはいいが、灰はまだミクを信頼できなかった。
それでも並んで歩くのだ。
2mの巨人と小さな少女、二人の行く末は霞んでいて、誰の目にも見えない。