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えっちな文藝部の活動報告書

第5章 官能小説の芸術性

あくる日。
放課後。

別に来たいわけでもなかったが俺は文芸部室に来ていた。

なんだかんだ言ってなんとなしに部室に来てしまう。

そう思うとこのゆるゆるな文芸部も案外悪いものではないんだなとは思う。

性的にゆるゆるなのはいかがなものかとは思うが……

「あ、比呂志も来てたんだ」

「おう」

フェラ騒動があったにも拘らずみずほもこうして来てくれるしな。

みずほは宿題を始め、俺はお気に入りの安部公房の『カンガルーノート』を読む。

特に会話があるわけではないが、のんびりとした空間は確かに悪いものではなかった。

「みんな来てますねー。関心関心」

部長、野路菊雪見さんも部室にやって来る。

「みずほちゃんは宿題? それより小説書かないの? とってもえっちな--」

「静かにして下さい」

ぴしゃりとみずほに叱られ年上の部長はしょぼんとした表情になる。

最初はぴりぴりした2人であったが、今ではこんなやり取りも少し微笑ましくさえ感じる。

ただ単に俺が病んで来ただけなのかも知れないけど……

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