とある鬼調伏一族の元旦
第1章 元旦の朝
「独り言を聞かれちゃいましたね。恥ずかしいな、私ったら」
「そんなことないですよ。実は僕も書道は苦手なんですよ」
「え?だって、すごくお上手じゃないですか」
「あれが精一杯なのですよ。そういう桃花さんも綺麗な字を書くじゃないですか」
そう言ってもらえると胸がほわっと温かくなる。
だからつい本音を吐いてしまった。
「本当は書道は嫌いなわけじゃないんです。ただ、こういった集まりが苦手で…」
「伯母さんのことですか?」
「…はい」
「あの方は娘をほしがっていたそうですから。きっと嬉しいのでしょう」
「ええ、わかっています」
幼い頃みんなから可愛いと言われ嬉しそうな母を恨めしそうに見ていたのを一度だけ見てしまったから知っているが、だからといって母を傷付けるような真似をする伯母が、はっきりいって嫌いだ。
「そんなことないですよ。実は僕も書道は苦手なんですよ」
「え?だって、すごくお上手じゃないですか」
「あれが精一杯なのですよ。そういう桃花さんも綺麗な字を書くじゃないですか」
そう言ってもらえると胸がほわっと温かくなる。
だからつい本音を吐いてしまった。
「本当は書道は嫌いなわけじゃないんです。ただ、こういった集まりが苦手で…」
「伯母さんのことですか?」
「…はい」
「あの方は娘をほしがっていたそうですから。きっと嬉しいのでしょう」
「ええ、わかっています」
幼い頃みんなから可愛いと言われ嬉しそうな母を恨めしそうに見ていたのを一度だけ見てしまったから知っているが、だからといって母を傷付けるような真似をする伯母が、はっきりいって嫌いだ。