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Take me

第16章 16



俺に注がれている二人の視線
お母さんの目が、一瞬だけアルバムに移った。


「アルバム、見たの?」
「うん。紘夢と一緒に見たんだけど、ダメだったかな?」
「いや…良いのよ」

焦ったように目を泳がせるお母さん。


なんで…?

俺には疑問だけ。
家族に家族の写真を見られて不味い事があるのだろうか?
俺のこと、愛していない事がばれるから?

そんな事、とっくに分かりきってるよ。


呆れたように目を伏せる俺。



落ち着いて、しっかり話をしよう。
そう言ってお父さんが話し始める。


親の話に、ここまで緊張することが
今までで一回でもあったかな。






「話というのは、紘夢の出生についてなんだ。」




信じたくない


けれどもう、お父さんのその言葉だけで。



後に続く言葉など、限られているだろ?




どん底に落とされる。






「実は紘夢、お前は俺と母さんの子じゃないんだよ」



嗚呼、ほら。





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