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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

キレイな玄関。
お邪魔しますと声をかけても何も返ってこない。



おうちの人、いないのかな?



「…………ちょっと待ってて」


「あ、うん」



靴を脱いだ高橋くんがパタパタと足音をたてながら奥に入っていく。



その後ろ姿を見ながら、
やっぱ背中いい…なんてぼんやりと思った。



にしても…
高橋くんちここってことは、いつも通り過ぎて、私を家まで送ってくれてた…?



やばいっ
それっ…嬉しすぎる。



「……………はい」


「えっ?あ、ありがとうっ…」



もろにニヤニヤしてると高橋くんが帰ってきて私にタオルを渡してくれた。



「………汚いけど…。」



それだけいって、タオルを被った高橋くんは目の前の階段を昇っていく。



「あり…がと…」



足を拭いて床を汚さないようにして私も高橋くんの後に続いた。



なんか、高橋くんに手首掴まれてから、ドキドキしっぱなしだ───

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