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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

高橋くんの部屋は、汚いって言ったくせに全く汚くなくて、本当に高橋くんらしいシンプルな部屋だった。



「適当に座って」


「あ、うん…」



今日は、高橋くんからたくさん言葉を発してもらって新鮮な感じ。


いつも私が話し掛けて、返事をするくらいの会話だったから。


しーんとした中で、高橋くんが眼鏡を外した。



………かっこいい…



レンズに付いた水滴をきゅっきゅいわせながら、拭いている。



コンタクトにしたら…絶対にモテるのにな…。
まぁ、モテなくていいんだけど。



眼鏡をかけてしまったことに、ちょっとがっかりしていたら、高橋くんは何も言わずに部屋から出ていった。



派手に濡れたなぁ…



肌に張り付く制服が気持ち悪い。



こういうの、漫画だったら、下着が透けちゃって…


『ちょっ…透けてるっ…』

『きゃあっ見ないでっ…』

『やべぇ…我慢できねぇ、かわいすぎんだよっ』

『やんっ…もうえっちぃ!』



みたいなことになるんだろうけど…。




「絶対にないな…」



思わず声に出してしまう。まず、キャミソール着てるから下着透けてないし。

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