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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

何事もなかったかのように、携帯を置いた高橋くんは、じっと私を見つめた。



「……………それ」


「はい?」


「…………乾燥機入れる?」


「えっ…」



突然の話題転換。
高橋くんは、私が持っている制服を指差してそう言った。



待て、高橋くんっ…!



「そんなことより!」


「……………?」


「どっ、どうして誕生日だって言ってくれないのっ!」


「………………何で?」



……会話がっ…噛み合わない…



困っていると、高橋くんが言葉を続けた。



「伝えなくちゃいけなかった?」


「っ…そりゃあっ…」



なにそれ…
私、彼女じゃないの?



「………何で?」



無表情の高橋くんの問い掛けにズキッと胸が痛む。



何でって…そりゃ…



「祝いたいじゃん…」


「…………平沢さんが?俺を?」



何じゃその質問は…



「あっ、当たり前でしょっ!!!!他に誰がいるのっ!」


「………………」



ムカついてつい大声出しちゃった…。



何も言わなくなった高橋くん。



あぁどうしよう…
引いちゃったかな…

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