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寡黙男子

第1章 はじめの一歩から *亜紀乃の世界*

弁解しようとしたら、



「くしゅんっ…」



まさかのくしゃみが出て、もう最悪…と思ってたら、高橋くんは、



「………あ」



と言って、部屋から出ていってしまった。



一人きりにされて…
すんごい虚しくて惨めで…。



うまくいかない…
私ばっかり高橋くんに興味があるなぁ。



せめて……
おめでとうだけ言って、プレゼントは後で…



そんなことを考えていたら、高橋くんがマグカップを2つ持って帰ってきた。



「………これ」


「え…と…?」


「………ココア」



うそ…



渡されたマグカップは温かくて…



………私のために?



感動しすぎて言葉が出ない。



ジッとマグカップの中を見ながら、その幸せを噛みしめていたら、高橋くんが突然、ごめんと言いながら、マグカップを私から取ってしまった。



「あっえっ?何でっ…」


「………ココアじゃないのにする」


「どっ、どうして?」


「…………だって、じっと見たまま飲まないから。嫌いなんでしょ?」

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